Mari Abeの洋服やバッグ、小物で使用するのは、すべてイギリスのLIBERTY社のテキスタイル。
代表的な可憐で軽やかな花柄はもちろん、アーティスティックでモダンなもの、カラフルでエキゾチックなものなど、多彩なデザインで、世界中の人々を魅了しつづけるブランドです。
ここではリバティ・プリントの歴史やMari Abeのセレクトについてお伝えします。
リバティ・プリントの始まりは1875年。アーサー・ラセンビィ・リバティ氏によって『リバティ商会』として設立されました。当時、イギリス・ロンドンでもっともエレガントだといわれていたリージェント・ストリートで店舗を構え、日本や東洋の装飾品や織物など、芸術工芸品を扱う店として大成功を収めました。『リバティ百貨店』は現在もロンドンを代表する老舗として、伝統を大切にしながら洗練されたライフスタイルを提案し続けています。そのリバティ百貨のオリジナルテキスタイルが「リバティ・プリント」。布や布製品だけでなく、バッグやインテリアアイテムなど、様々な商品として販売されています。
リバティ氏は百貨店の開業からしばらくして、当時、人気を博していたシルクプリントのテキスタイル生産を始めています。その頃、ヨーロッパは、日本をはじめとする東洋の文化に熱狂していた時代。LIBERTY社でも東洋の影響が感じられるエキゾチックなデザインが開発されていました。独創的なデザインは、ブランド創成期から多く輩出されています。また木製のブロックを使ったプリントから、スクリーンを使うプリントへと、技術も時代とともにオリジナルで革新を続けました。
リバティ・プリントといえば、コットンを使用したタナローンの生地が代名詞ですが、こちらは1920年代に開発されました。極細の超長綿を使用した光沢のあるタナローン生地は、それまで主流だったシルクとひけをとらないくらいに上質。薄く、しなやかで丈夫なタナローン地は、LIBERTY社の複雑で繊細なデザインの柄や色を再現することに適していました。高価なシルクと比べて安価のタナローン地の普及によって、リバティ・プリントは多くの方に手が届く存在となり、さらに人気を博しました。
日本国内で本格的に卸売りを手掛ける子会社が設立されたのは1988年のこと。それ以降、ソーイングやハンドメイドがお好きな方を中心に、日本中に多くのファンが生まれました。
リバティ・プリントでは、定番デザインのほかに、年間100~140もの新作が生産され、日本でお目にかかれるもの以外にもたくさんのデザインがあります。Mari Abeでは毎シーズン、新しいシーズナルコレクションのデザインをすべてチェックして、新鮮で心ときめくデザインの生地を買い付けています。珍しいものも多くあるため、ブランドのファンの方にはシーズンごとの新しい柄を楽しみにしてくださっている方も多くいらっしゃいます。